猫の本棚名作紹介ブログ

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シーシュポスの神話③ 不条理な論証 不条理な壁  

 ふと、舞台装置が崩壊することがある。起床、電車、会社や工場での4時間、食事、電車、4時間の仕事、食事、睡眠、同じリズムで流れてゆく月火水木金土、ー機械的な生活の果てに倦怠がありある日、≪なぜ≫という問いが頭をもたげる。すると意識の運動が≪はじまる≫。これが不条理の起源である。

 


 また、私たちは未来を当てにして生きている。時間がいつも同じように自分たちをささえてくれていると思っている。「明日」とか、「あとで」とか、「歳をとればおまえにも解るさ」とか言いながら。いつかは死ぬというのに。

 実際には、私たちは時間に従属している。そして時間こそ自分の最悪の敵だと気がつくのだ。現実にはかれの全存在が明日になるということを拒んでいたはずなのに。こういう肉体の反抗、それも「不条理」だ。

 


さらに、

「この世界が理性では割り切れず、しかも人間の奥底には明晰を求める死に物狂いの願望が激しく鳴りひびいていて、この両者がともに相対峙したままである状態」を「不条理」という。不条理はこうした対立関係のことだが、この両者を結ぶのも不条理である。

 


 世界は理性で割り切れないものであふれている。だから哲学者たちは明徹な視力を保持し、自分を取りまく壁を認識するしかないと競い合って宣言する。

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