猫の本棚名作紹介ブログ

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『ミドルマーチ 2』ジョージ・エリオット作

■ミドルマーチ 2■  全4巻 1871-1872

ジョージ・エリオット 作

 


第3部 死を待ちながら

 


第4部 三つの愛の問題

 


遺産相続のドロドロな展開。ベタな題材であっても、相続争いは面白い。奇妙な容貌の隠し子まで現れて‥‥。

そして3組のカップルの愛の行方は?

 

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第3部 死を待ちながら

 


第23章

工場主であり市長ヴィンシー氏の長男フレッドは借金問題を抱えている。

資産家の伯父フェザストーンが死んだら自分のものになるだろう遺産をカタに借金しているのだった。(フェザストーンの最初の妻がガース氏の姉、2番目の妻がヴィンシー夫人の姉で2人とも故人。子どもはいない。)

 


現在は馬の売買をしているバンブリッジ氏に総額160ポンド借金していた。バンブリッジが何か金を返す証拠となるようなものを出せと言ったため、最初は自分の署名入りの手形と交換したが、3か月後、人のよいガース氏に頼んで署名してもらった手形に更新した。フレッドは、人に頭を下げてお金を借りたり返したりという事が不条理に感じたからだった。

 


フェザストーンからはすでに100ポンドもらっているし、自分の父親には怖くてお金を借りられないフレッドは自分の駄馬に30ポンドを加え、ダイヤモンドという良い馬と交換し、その馬を80ポンドで売り利益を得ようと考える。

 

 

 

第24章

ところが手に入れたダイアモンドは脚を傷めてしまい、フレッドの皮算用は外れてしまう。せめて何とか融通できる50ポンドだけでも返そうとガース家を訪れる。少しでも返そうと思ったのは、ガース家の娘を好きだったからだ。

 


第25章

フレッドから金を返してもらえないことで貧乏なガース家がどんな窮状に追い込まれるか、お坊ちゃんのフレッドはわかっていなかった。妻スーザンが息子の進学ためにコツコツと貯めたお金を失うことにな進学を断念することになったし、メアリが貯めているお金も返済に使わなければならなくなった。

メアリは、自分に甘く、人に迷惑をかけるという想像力のないフレッドを批判する。

 


第26章

フレッドは体調を崩し、かかりつけ医のレンチ氏が呼ばれるが、特に問題ないと診断された。しかし症状が改善せず、通りがかったリドゲイト医師がロザモンドに呼ばれ腸チフスと診断した。そしてヴィンシー家のかかりつけ医にとり立てられた。

 


第27章

フレッドの弟妹たちは感染しないよう農家に隔離されたが、両親とロザモンドは自宅に残り、特に母親はつきっきりで看病した。

リドゲイトは毎日往診に来たが、ロザモンドと互いに意識するようになった。

 


第28章

ドロシアの妹シーリアとサー・ジェイムズが婚約した。

 


第29章

ドロシアとカソーボン氏の結婚の不協和音

カソーボン氏はライフワークの『全神話解読』執筆を続けているが、一向に完成しそうもない。小論文も反響は少なかった。著書を出さねばならないという思いがプレッシャーとなって、憂鬱になり信仰心さえぐらついてくるのだった。さらに結婚生活も自分に対して喜びを与えてくれないと気づきいっそう憂鬱になる。

ラディスローからの手紙を受けとったカソーボン氏は「彼は訪問を希望しているが断らなければならない。もうそろそろ気まぐれにはしゃぐ客たちから解放されたいと思うのも当然だと思うがね」という。

それをきいたドロシアは「夫が嫌がっているらしい訪問を、妻が望んでいると言わんばかりのこの決めつけは、意地が悪いではないか。(中略)あまりにも癇に障ったので、考えるよりも先にむかついてきた。」彼女は夫に謝るよう要求する。

夫はラディスローにやきもちを妬いているということが、ドロシアにはわからないのだった。(こんなことで即、夫婦ゲンカになるなんて、破局も間近だ。)

カソーボン氏は発作を起こして倒れ、リドゲイト医師が呼ばれる。

 


第30章

カソーボン氏は回復するが、リドゲイトは注意必要な状態と判断し、仕事をほどほどにして気晴らしをするよう薦めた。ドロシアはつきっきりで看病する。

 


第31章

バルストロード夫人は友人のプリムデイル夫人から、姪のロザモンドがリドゲイトと付き合っているという噂があると聞くと、リドゲイトにロザモンドと結婚するよう圧力をかける。リドゲイトとロザモンドは婚約する。

 


第32章

フェザストーンの血族の者たちが財産目当てで、次々とお見舞いにやって来る。

弟ソロモンと妹ジェイン(ウオール夫人)は裕福だが弟ジョウナ、妹マーサ(クランチ夫人)は貧しかった。一族は、フェザストーンの世話をしているメアリ・ガース(フェザストーンの最初の妻の姪)が相続人になっていないか疑心暗鬼になる。

フェザストーンは、まだ死んでいないのに一族が喪服を着ているのを見て激怒する。

血族はフェザストーンの家に出入りしているやはり遠い血族の競売人トランブル氏に遺言のことを聞き出そうとするが、トランブルは何も知らない。

 


第33章

メアリ・ガースはフェザストーンに2通り作成した遺言書のうちの片方を焼くよう指示されるが、自分が疑われるのを恐れ拒絶する。

フェザストーンはついに息を引きとる。

 


第4部 三つの愛の問題

 


第34章

フェザストーンが書き残した詳細な指示に従って壮大な葬式がカドウオラダー牧師の教会で行われた。

カソーボン氏宅の二階から、カドウオラダー夫人は葬列を見送る。そこへドロシアとシーリアの伯父のブルック氏がラディスローを連れてカソーボン氏のお見舞いに訪れる。ドロシアに頼まれブルック氏はラディスローを滞在させているのだった。ドロシアとカソーボン氏の間に微妙な空気が流れる。

 


第35章

フェザストーンの血族が集まり、弁護士が遺言書を読み上げる。まず、古い方の遺言書。訪れた血族にはそれぞれ50〜100ポンドという期待はずれの金額。フレッドのみ1万ポンドという大金。残りの土地・不動産は、突然現れた蛙のような顔をした新参者のジョシュア・リッグに、という内容だった。新しい方は、ほぼ全てがジョシュア・リッグに遺贈され、フレッドの取り分はなし。一部は老人保護施設の建設費・寄付金に充てられる。

血族たちは、こんな家にもう二度とくるものかと捨て台詞を吐いて去っていった。

 


第36章

フレッドがフェザストーンの遺産を受けとれないと知り、機嫌が悪くなったヴィンシー市長は、一旦承諾したリドゲイトとロザモンドの婚約に反対する。

 


第37章

ドロシアは相変わらずカソーボン氏の嫉妬心に気づかない。よかれと思って言ったことが裏目に出る。ドロシアの分と定めているカソーボン氏の財産の一部をカソーボン氏の血縁であるラディスローに今すぐにでもあげてはどうかと提案する。カソーボン氏は激怒し、ラディスローを出入り禁止にする。

 


第38章

ブルック氏は『パイオニア』紙という新聞社を買い取り、ラディスローはその編集者となる。

 


第39章

ブルック氏は国会議員選挙に打って出るだろうと噂されていた。

ブルック氏の領地内で兎が小作人ダグレーの倅に殺される。ブルック氏はダグレーを訪ねる。

 


第40章

ガース家では、メアリが結婚するロザモンドのためにハンカチに刺繍をしていた。彼女は家計を助けるためヨークの学校にピアノ教師として勤める決意をしたと父ケイレブ、母スーザンに話す。弟のアルフレッド、ジム、ベン、妹レティは幼いので状況がわかっていない様子。

そこへ、サー・ジェイムズ・チェッタムからガース氏に地所の管理を任せたいという手紙がきたので、メアリは、学校に勤めに出なくてよいことになり、アルフレッドは進学できることになった。

フレッドは大学に戻ることになった。

 

 

 

 

 

 

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